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あのロクイチ団臨から10年

ちょうど10年前の今日、「ロクイチ」ことEF5861にとって最後の営業運転となった、お座敷客車ゆとりを使用した団体臨時列車が品川→横川→上野間で運行されました。実はこれ、私が企画立案し、サークルメンバーなど多くの方に支えてもらいながら1年以上の準備期間を経て実現させた列車でした。今日は懐かしい写真とともに、このロクイチ団臨が走るまでを超ざっくりとプレイバックしてみたいと思います。

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大学校章のヘッドマークも誇らしげに横川に滑り込むロクイチ。 2007/06/17 横川

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仰天!「H」マークを掲げたロクイチ。横川到着後、一旦、高崎へ引き返した。 2007/06/17 横川

当時はのちの鉄道ブームが巻き起こる少し前。JRは発足20周年を控え、国鉄型車両は次々と新しい車両に入れ替わる転換期でした。しかし、車両が新しくなったところで、注目を集めつつあった格安高速バスには「安さ」で勝てず、飛行機には当然ながら「速さ」で勝てず、鉄道は移動手段以上の新しい価値を見出せずにいた時代でもありました。今流行りとなったクルーズトレインの構想が初めて世に出たのは鉄道ブームを経て2011年のことですから、一鉄道ファンの自己満足な企画が実現するまで一筋縄にはいかなかったことは想像に難くないでしょう。

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お座敷客車ゆとりの展望車からロクイチを望む。 2007/06/17 高崎線内

我々の要望としてはやはり途中駅での長時間停車やドア開放、車両基地での撮影会開催。それこそ、今で言うクルーズトレインなプランです。しかし、JR側としては「団臨といえども移動手段」という考えからどれも許可は下りませんでした。それでも担当の方は親身になって相談に応じてくださり、「品川→新鶴見信→立川→高崎→田端操→松戸→上野。EF5861+ゆとり+EL(ミステリー列車仕様)」という目的地が存在しない乗りっぱなしのプランで了承してくださいました。
ところが、2007年年始早々、担当の方から、言いにくい話なのですがと電話があり、EF5861を使いたいなら品川→横川→上野のみ可能、納得できないなら白紙、すぐに決めてくださいとのこと。選びようもなく、前者でファイナルアンサーしたのは言うまでもないですが、かくして、ロクイチ団臨は直行直帰で実現する運びとなりました。
その後もさまざまな試練を乗り越えて、ついに当日、6月17日を迎えました。品川駅に滑り込んできたロクイチを見たときは、さすがに全身鳥肌が立ちましたね。

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この瞬間を何度と夢見たか。自分が仕立てた列車が目の前に鎮座している。 2007/06/17 品川

さて、車内のイベントももりだくさんに企画しました。終着地の碓氷峠鉄道文化むらでEF58172にサークルの旗を掲出させていただいたり、RailMagazineを出版するネコパブリッシングに頼み込んで鉄道グッズやポスターなど倉庫に眠っていたお宝をたくさん提供してもらい大抽選会を開催したり。おかげさまで乗客の皆様には大好評となりました。

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法政大学鉄道研究会の会旗を掲げたお召仕様のEF58172。 2007/06/17 碓氷峠鉄道文化むら

一方、撮影者もいろいろ楽しめたようで、なぜか鉄道ダイヤ情報には例の乗りっぱなしプランが○○表示で掲載されたり(翌月号は直行直帰で○○表示で掲載。直前に2chにダイヤが掲載されてしまった)、当日は手違いなのかロクイチに「H」のヘッドマークが掲出されたり、復路でヘッドマークを交換したり。1日を通して晴天で、信越線にいれば4パターンの撮影ができるサプライズとなりました。

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横川に到着した回送列車。EF5861は発車の直前まで両パンだった。 2007/06/17 横川

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復路の発車を待つ列車。先頭はEF6439に代わる。 2007/06/17 横川

復路も急行スジであっという間に上野へ。最後の車内アナウンスで車掌室まで聞こえた温かい拍手には感極まりました。本当にやってよかった。それに尽きます。とても大切な青春の思い出です。

このことは、
編集長敬白 アーカイブ 「鉄研の夢」実現までの道。(RM元編集長)
ロクイチが走るまで(鉄道写真館「宿命」)
ロクイチが走るまで(橋本祐太著 ※国会図書館に所蔵)
にも掲載してありますので、お時間・ご興味がありましたらぜひどうぞ。

最後に各車両の最期について。
・EF5861
団臨後に実施された台検で不具合が発覚し、営業運転は不可能となったことで2008年3月で引退。現在は東京総合車両センターで保管されています。
・お座敷客車ゆとり
2008年3月にラストラン。展望車2両は尾久車両センターに長らく留置されていましたが、2015年7月で廃車回送されました。
・EF6439
その後も工臨や団臨に使用され、2015年にEF6438とともに廃車となりました。
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